第2-2回伊勢路巡礼の実施報告

3月27日から31日まで4泊5日で伊勢路巡礼を実施いたしました。

3月27日(金曜日)快晴 参加16名

 春休みの金曜日、松阪から紀伊長島までの特急南紀3号は満席、立ったままでの昼食となる。

 昼過ぎ、約1ヶ月前に別れたメンバーが続々と集合。

見上げれば雲一つない晴天、絶好の徒歩巡礼日和です。

今回は4泊5日の長旅、大きな荷物は伴走車に任せ16名でいよいよ熊野古道伊勢路のスタートです。

 神社や寺院などの史跡を楽しみ、狭い通りの潮の香の漂う路地を抜け本日の最初の一石峠から平方峠、そして三浦峠へと一気に向かいます。この三峠をまとめて「熊ヶ谷道」ともいい、紀伊松島等熊野灘の優美な景観を楽しめるなだらかなコースでした。

「初日はこれくらいにしといたろか!」関西弁の軽口をたたきながお宿“美鈴”さんに到着。

 御香の香に迎えられ、巡礼には贅沢すぎる心細かな凝った室内と食事のご馳走を堪能、ごちそうさまです。

 ここでいつもの筆者がまず一句

〖伊勢路行く 料理最高 美鈴ちゃん〗 

 

紀伊長島⇒美鈴 10.8㎞ 19,263歩

3月28日(土曜日)晴 参加17名

早朝(午前6時)奈良から一名参加。朝食から合流。

美鈴さんの前でハイポーズ。心経と体操で出発。

さくら公園では町内の桜祭りの準備を大勢で早朝から大童。

7分咲きの花を横目に始神峠にはいる。

明治道コースが合流し、見事な石積みが残り、紀伊長島の島々から志摩半島まで見渡せる最高の景色を楽しみました。

 午後からは熊野古道伊勢路で有名な「馬越峠」へ。

土曜日と好天が重なり、山ガール始め多くの観光客とともに石畳みに守られた古道を楽しむ。

 途中先達の松本さんは友人のハイカーと出会い束の間の旧交を暖められた。

 天狗倉山に行きたい思いもありましたが、これからの長い道程を考え断念。気持ちだけ天狗と共に頂上へ。

 行者堂上の見晴らし台で尾鷲の町を一望に眺めながら、福島の上妻さんが≪尾鷲節≫を披露した。普段物静かな人だけにその美声にみなさんびっくり!!!

 日当たりのいいところでは五分咲から八分咲きの花を眺めて明日の八鬼山越えに備えて1時間ほど予習。

 本日のお宿 民宿まさはる屋さんのバスが迎えてくれ無事宿へ到着。

魚はもちろん、おかみさんの愛情のこもった料理に舌鼓。

ご主人が何度も“おかあちゃんの手作り”と褒める味はまさしくおふくろの味。

 

 ここで今回の二句目

〖おかみさん 手作りの料理 まさはる屋〗  

この「まさはる屋」はお宿の名前と「おかあちゃんの手作り」と自慢するご主人の名前 まさはるヤ-をかけました。

さすが文学部出身の筆者と自画自賛。

 

 美鈴⇒八鬼山峠 林道分岐 24.3㎞ 38,763歩

馬越峠で休憩です
馬越峠で休憩です

3月29日(日曜日)くもりのち雨 参加17名

 天気予報通り、今にも降りそうな曇天。

雨具を着たり脱いだりの今回一番の難所、八鬼山越えの一日になりそう。

七曲りの案内板付近はこの峠でも一番の難所、何とか踏ん張り超えると

ご褒美の無数の巨岩が鎮座する蓮華石と烏帽子岩の景観を楽しむ。

さくらの森からの眺望も今日の天気では残念でした。

 五郎茶屋跡、長柄一里塚は下りの滑りやすい石畳。

細心の注意を払い三木里海水浴場へ。

 

 ここで思いがけないお接待。2月に参加した畑林さんが二人のお仲間と

温かいコーヒーやお茶、お菓子などを差し入れて下さいました。

コンロ二台を持参の温かい飲み物は雨で冷えた体に最高のご馳走となり

ました。前回ご一緒した中川さんからもお菓子の差し入れ。

「ごちそうさま」でした。

まさはる屋おかみさん手作りの‘おにぎり弁当’で昼食が済む頃、沖合に

ご主人が操船する釣り船“まさはる号”が出現。対岸の飛鳥神社横の漁港

まで雨の賀田湾を船で楽チン。

お蔭で三木峠、羽後峠を回避できました。

 

 いよいよ本降りの中、甫母峠(次郎坂、太郎坂)へ。

尾鷲市賀田から熊野市二木島へ抜けるコースで、かって志摩の国、紀伊の

国の国境であったため「自領、他領」がなまって「次郎、太郎」になった

とも云われている。

 美しい石畳や猪垣などの静かなコースは負け惜しみなく雨が似合います。

 昨日奈良から参加の一人が仕事のためJR二木島駅でお別れ「気をつけて

お帰り下さい」

雨が激しくなる中、最終日の神倉神社参拝の時間を捻出のため今日も少し

予習し、峠入口を横目に宿までは迎えのバスを断り歩き続け本日のお宿“

民宿ハマケン”さんへ。

さすがに水産業が本業のお宿、おいしい さかなづくし です。

 

八鬼山林道分岐⇒民宿ハマケン(渡船4.7㎞を含む)17.4㎞ 24,749歩

3月30日(月曜日)快晴 参加16名

昨日の雨が嘘のような晴天、美人ぞろいの女性陣は日焼けが心配

6時予定の朝食が5時25分に準備出来たと電話。

有難い。全員に連絡するとさすが慣れたメンバー。全員集合に3分。

朝の30分は私達にとって極めて貴重です。

6時30分、はまけんさんのバスで二木島峠、逢神坂峠入口へ。

はまけんさんに連泊のため伴走車はお休みで全員で歩く。

 

 いきなりの急な階段。

 逢神とは伊勢と熊野の神が出会う場所の意味。段々畑の里山風景の波田須の道、始皇帝から不老長寿の仙薬探しを命じられた徐福が上陸した徐福の宮から竹林が広がる(以前よりかなり小さい)大吹峠に。

 昨日難所を克服しただけにここまでは楽勝、楽しいハイキング。

ここで先達様のありがたい言葉『観音道に廻り観音様にお参りします』

予定にないコース、どんなコース? 3月なのに汗が一粒、二粒地面に落ちるコースでした。猪垣コースとも呼ばれ長い猪垣沿いに登ります。 

ようやく岩の観音様を拝み下山、西国33所のご本尊が麓までお祀りされ、気持ちの良い下りが続きました。

当会会員のお寺のご本尊には丁寧に礼拝、そり以外のお寺のご本尊にはそれなりに礼拝、それは筆者だけです。正直滑る足元に気を取られ疲れて礼拝するのも辛いのが本音です。

 そしていよいよ今回最後の峠、泣いても笑っても最後の峠“松本峠”

「松本、松本、あの怖い、厳しい先達さんと同じ名前、皆覚悟しろ」

いえいえ私には先達さんのやさしい奥様である邦子夫人のようななだらかな峠をイメージしました。

結果は? 距離は短いがご主人のような峠でした。これが答えです。

 

 峠を越え昼食予定の見晴展望台でサプライズが2件。

昨日に続き畑林さんがコンロを背負い山道を登り、温かい飲み物、おいしいお菓子のお接待が待っていた。

 ハマケン社長夫人手作りの“メハリ弁当”と温かいお茶を頂きました。

 

 ここでフランス人ご夫婦が私達に興味を示され、暫らく交流。

フランス語が堪能な筆者は広島出身の奥様とのみ会話、奥様の通訳で会話が弾み記念写真。当会初の海外会員様が誕生するかも???

 

 食後は美しい海岸線を歩き、正式には海岸の砂利道を歩き、獅子岩を見学。美しいのですか疲れている足には非常に辛い砂利道でした。

 

 ようやく花の窟神社に参拝。神殿は無く自然崇拝の太古の遺風を今に伝える神社として有名です。最後の力を振り絞り約2時間、国有林の中を歩き、ようやく「ハマケン」さんのバスに乗り込む。

 

 かなりの距離を歩いたつもりですが、一部高速道路を利用し約20分でハマケンさんに逆戻り。

 バスを運転をしながら社長から“職を23回変わり、一代で定置網3つを有するハマケン水産と民宿ハマケンを経営している”と聞かされ感動。

 私達も伊勢路で27の峠を越えました。道は違いますが私達もいよいよ明日が満願です。頑張ります。

 

 二木島峠入口⇒市木のローソン 23.6㎞ 37,239歩

 波田須トンネル横を旧道へ
波田須トンネル横を旧道へ
花の窟神社に到着
花の窟神社に到着
獅子岩下の浜 この歩きが大変
獅子岩下の浜 この歩きが大変
最後の道中安全をお願い
最後の道中安全をお願い

3月31日(火曜日) 快晴 参加16名

最終日、今日も快晴。

おかみさんの朝食は昨日より早い5時10分。いつもは朝食を催促するが今回は朝食に追いかけられる。が時間にゆとりができありがたい。

ここで今回の三句目

〖定置網 これが定職 ハマケンや〗

続いて四句目

〖朝早い 巡礼どもは ハマケンや〗

国有林や海岸線、畑の中を歩き国道42号線沿いの道の駅2ヶ所で休憩。

 本当にもう峠はありません。それでも3回目の休憩場所、横手地蔵までは上り坂。少し足は疲れましたが、またも畑林さん、中川さんらのお接待。暖かい飲み物に果物などの差し入れ。

「本当にありがとうございました」

 

 昨日頑張った甲斐があり11時過ぎに熊野速玉大社に参拝できました。

ご褒美にゴトビキ岩や火祭りで有名な「神倉神社」に余裕で参拝させていただきました。

皆さま 本当に満願おめでとうございます。

 

 疲れているはずですが、打ち上げの昼食会では、早くも「次回は今回通らなかったツヅラト峠を通り、天狗倉山に登り、那智山青岸渡寺に行きたい」「夏恒例の熊野古道小辺路が楽しみ」皆さま健脚過ぎですよ!!

まずは疲れをとってください。

 

 今回最後の五句目

〖伊勢熊野 二つの神の 慈悲に触れ 我らすすまん 神仏の路〗

 

市木ローソン⇒新宮手打ちうどんまさや 19.6㎞ 26,593歩